専門看護師になるには

専門看護師

専門看護師とは

看護師資格を保有している野田と申します。 専門看護師とは、日本看護協会専門看護師認定審査に合格し、特定の専門看護分野において卓越した看護実践能力を有すると認められた看護師のことをいいます。 専門看護師制度の目的は、複雑で解決困難な看護問題を持つ個人やその家族、集団に対して高水準の看護ケアを効率よく提供するための特定の専門看護分野の知識と技術を持つ専門看護師を看護現場に送り出し、保健医療福祉の発展に貢献するとともに看護学の向上を図ることにあります。

専門看護師の役割

専門看護師の役割は、専門看護分野において以下の6つがあります。
・実践…個人、家族及び集団に対して卓越した看護を実践する。
・相談…看護者を含むケア提供者に対しコンサルテーションを行う。
・調整…必要なケアが円滑に行われるために、保健医療福祉に携わる人々の間のコーディネーションを行う。
・倫理調整…個人、家族及び集団の権利を守るために、倫理的な問題や葛藤の解決をはかる。
・教育…看護者に対しケアを向上させるため教育的役割を果たす。
・研究…専門知識及び技術の向上並びに開発をはかるために実践の場における研究活動を行う。

専門看護分野

現時点では、専門看護分野は以下の11分野があります。
「がん看護」「精神看護」「地域看護」「老人看護」「小児看護」「母性看護」「慢性疾患看護」「急性・重症患者看護」「感染症看護」「家族支援」「在宅看護」
(※日本看護協会HPより抜粋)

専門看護師になるには

専門看護師になるには、まず以下の条件をクリアすることが必須となります。
・日本国の看護師免許を保有していること
・看護系大学院修士課程修了者で日本看護系大学協議会が定める専門看護師教育課程基準の所定の単位(総計26単位または38単位)を取得していること
・通算5年以上実務研修があること(うち3年以上は専門看護分野での実務研修があること)
※専門看護師教育課程は、平成27年2月16日より高度実践看護師教育課程へと名称が変更されました。
詳しくは、日本看護系大学協議会のHPをご参照ください。
日本看護系大学協議会HP http://www.janpu.or.jp/activities/committee/point/
上記の条件をクリア後、認定審査(書類審査と筆記試験)を受けることができます。
認定審査に合格すれば、専門看護師認定証の交付と登録がされます。その後、5年毎に更新が必要となります。更新時、看護実践の実績、研修実績、研究業績等書類審査があります。

専門看護師教育機関について

平成27年4月時点では、103大学院280課程の教育機関が全国にあります。
教育機関の検索は、日本看護協会HP内の教育機関検索ページより検索可能です。
http://nintei.nurse.or.jp/certification/General/GECI01LS/GECI01LS.aspx

専門看護師になるまでにかかる費用

専門看護師の資格を取得するためには、看護系大学院修士課程を修了することと専門看護師教育課程基準の所定の単位(26単位または38単位)を取得する必要があり、修学期間は、2年以上となります。
看護系大学院は、国公立と私立では学費の差がありますが、おおよそ1年間にかかる学費は100万円程度といわれています。この他に教科書代や専門看護師認定審査時の審査料約5万円、合格した場合の登録料約5万円が必要になります。
専門看護師資格を取得した方の声によると、修学中は仕事を休職もしくは退職しないと勉強と仕事の両立は難しいようです。そのため、専門看護師資格を取得するための費用を貯金しておくか奨学金制度などを利用して学費を確保することも必要です。また、学費以外にも生活費や自宅から大学院までの距離が遠い場合は引っ越し費用や家賃などの費用も必要になってきます。

専門看護師認定審査受験資格について

専門看護師の認定審査は年に1回、会場は東京都のみで開催されています。
受験資格は、以下の要件をすべて満たすことが必要となります。(日本看護協会HPより)
1.日本国の看護師の免許を有すること
日本看護系大学協議会専門看護師教育課程基準で指定された内容の科目単位を取得していること(以下の条件のいずれかを満たす者であること)
1)看護系大学大学院修士課程修了者で、日本看護系大学協議会専門看護師教育課程基準の所定の単位を取得した者。
なお、看護系大学大学院修士課程修了者で日本看護系大学協議会専門看護師教育課程基準の所定の単位に満たない者は、必要単位をさらに取得するものとする。
2)看護学以外の関連領域の大学院等を修了した者で、1)において必要単位をさらに取得した者。
3)外国において1)から2)と同等以上の教育を受けたと認められた者
3.専門看護師としての必要な実務研修があること
1)看護師の資格取得後、実務研修が通算5年以上であること。そのうち通算3年以上は専門看護分野の実務研修をしていること。
専門看護分野の実務研修におけるフィールドについてはこちら 2)次の各項に定める専門看護分野の実務研修をしていなければならない。
(1)専門看護分野における個人、家族及び集団に対する直接的な看護実践。
(2)専門看護分野における看護職を含むケア提供者に対するコンサルテーション。
(3)専門看護分野における必要なケアが円滑に行われるための保健医療福祉に携わる人々の間のコーディネーション。
(4)専門看護分野における個人、家族及び集団の権利を守るための、倫理的な問題や葛藤の解決をはかる倫理調整。
(5)専門看護分野におけるケアを向上させるための看護者に対する研修会、研究指導及び講演会等での活動を含む多様な教育的機能。
(6)専門看護分野における専門知識及び技術の向上並びに開発をはかるための実践の場における研究活動。
3)専門看護師の認定審査を受験する者は、上記の条件を全て満足する者であり、現在、常勤、非常勤勤務を問わず実践を行っていること。

専門看護師認定審査について

申請方法は以下3点が必要となります。
1.日本看護協会の資格認定制度 審査・申請システムにてWEB申請を行う。
2.審査料50760円(税込)の振込を行う。
3.申請書類をオンラインでの提出を行う。
以上、3点が専門看護師認定審査を受験するための申請に必要な項目となります。

専門看護師認定審査方法について

審査方法については、一次審査と二次審査があります。
一次審査では、書類審査が行われます。
二次審査では、筆記試験(論述式)が行われ、事例問題(配点100点)・総合問題(配点100点)が出題されます。試験時間は120分となります。
審査結果の合否は、認定審査より1~2カ月程度で日本看護協会「資格認定制度 審査・申請システム」で発表されます。

審査結果が合格の場合は、認定料50760円(税込)を振込、日本看護協会「資格認定制度 審査・申請システム」にて認定登録情報の確認、及び公開情報の登録を行います。
認定登録手続き完了後、認定証が交付され、新規認定者として登録されることとなります。
その後、5年毎に更新審査がありますが、更新審査時の審査料は30240円(税込)となります。更新審査に合格すれば、20520円(税込)の認定料を振込、所定の手続きを行います。
専門看護師に関する詳細は下記日本看護協会HPより確認できます。
http://nintei.nurse.or.jp/nursing/qualification/cns
http://nintei.nurse.or.jp/nursing/qualification/probation_guide_cns

専門看護師になるには、5年以上の実務経験後に看護系大学院への通学が必要となるため、資格取得までに長い年数がかかります。
しかし、専門分野のエキスパートとして看護現場での活躍を期待される資格となりますので、専門看護師を目指している看護師の方は、頑張って資格取得を目指してください。

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